供給途絶対策・事業承継に係る取組の実績をご紹介します。
日本ギア工業の補助金活用事例
電動弁の駆動装置(アクチュエータ)内の直流(DC)モータの製造企業が2022年の撤退を表明したことを受け、日本ギアが設計を引き継ぎ、代替サプライヤによる製造・性能検査を推進しています。DCモータの開発には、経済産業省の「原子力産業基盤強化事業」の補助金が活用されました。詳細はこちらをご確認ください。

TVEの補助金活用事例
原子力発電所向けの高温高圧バルブを製造しているTVEでは、経済産業省の「原子力産業基盤強化事業」の支援を受け、バルブ鋳型の木型から発泡型への移行、デジタル技術を活用した鋳型造形プロセスイノベーションを進め、少量多品種のバルブ製造管理プロセスの伝承を進めています。詳細はこちらをご覧ください。

発泡鋳型の例
一般産業用工業品の採用に向けた手法の整備とガイドラインの発行
原子力施設の安全機能に係る機器は、厳格な品質管理が求められています。その管理を個々のサプライヤが負担する仕組みは、事業環境上の課題となっています。そこで、サプライチェーンにおける品質管理の役割を適切に見直し、品質を維持しながら、一般産業用工業品の採用を可能とするプロセスが求められていました。
このような課題に対応するため、日立GE、三菱重工、東芝ESS、IHIの4社は共同で「原子力産業基盤強化事業」の支援を受け、「一般産業用工業品の採用における安全性・信頼性を確保する手法の整備」として、一般産業用工業品を採用するにあたってのガイドラインの素案を作成しました。さらに、日本電機工業会(JEMA)は、上記のガイドライン素案を基に「一般産業用工業品採用ガイドライン」を制定・公開しました。
NSCPでは、産業界による一般産業用工業品の採用(CGD)の取り組みを支援していきます。今後、CGDに関する情報共有のイベントを実施する予定です。詳細が決まり次第、本HPでも連絡致します。

JEMAが制定した「一般産業用工業品採用ガイドライン」(表紙)

デモンストレーションを実施したリードスイッチ
3Dプリンタの活用に向けた取組
3Dプリンティングを活用することにより、部品製造にかかる期間・コストの短縮、撤退したサプライヤーの補完、従来手法では不可能であった最適形状の追求等が可能になることが期待されます。三菱重工と東芝ESSは、「原子力産業基盤強化事業」の支援を受け、令和元年度より3Dプリンティングによる部品製造に関する技術開発を実施しています。また、国内での実用化に向けて、産業大で日本機械学会(JSME)での規格化に必要なデータ取得等も進めています。
原子力小委員会の資料(26ページ)および原子力産業基盤強化事業報告書も参照ください。
